THE LAB伝わるを科学する

第23章 機械は人を説得できるか — ディープフェイクとGEOの時代の倫理

AIの説得力は賢さではなくコストの安さから来ています。陰謀論を対話で解きほぐした実験、個別化説得が社会的反証を無効にする構造、嘘つきの配当とエトスのインフラ危機、そして読者が人間だけでなくなったGEOの時代。プラトンとバーネイズの系譜に、透明性・可逆性・利益の所在という基準を置きます。

専門用語(ジャーゴン)はなぜ伝わらないのか?定義を添えても効かない実験と、引用数が落ち始める「1%」の境界線

専門用語は「意味がわからない」だけでなく「読みにくさ」が不信に変わる。650人の実験で定義を添えても効かなかった理由、書き手の評価が下がる仕組み、論文の引用数が落ちる1%の境界線と、専門用語が効く場面を解説。

第22章 言葉の限界費用ゼロ — 整った文章が、証明でなくなった日

生成AIが崩したのは創作の限界費用でした。570年前に複製の限界費用が崩れたグーテンベルクの反復です。ザハヴィのハンディキャップ原理とスペンスのシグナリング理論を補助線に、無料で作れるものはなぜ信頼の証拠にならないのか、そして「誰が言うか」=エトスがどう復権するのかを読み解きます。

第21章 SNS — 全員が発信者になり、アルゴリズムが編集長になった

配信者に感じる親しさは1956年のテレビ研究が名づけたパラソーシャル関係の再来です。アルゴリズムという新しい編集長、エコーチェンバー論への実証的反論、怒りが速い理由、そして1961年の接種理論がプレバンキングとして復活するまで。SNSは新しい原理を持ち込まず、古い原理を桁違いの規模で作動させました。

TOP