「安心」と「希望」を脳に届ける、認知科学に基づくブランド設計〜
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【プロジェクト概要データ】
- Client: 一般社団法人福祉後見センターMIRAI 様
- Service: 法人後見事業、終活支援事業
- Area: 京都府京都市
- Role: Art Direction, CI/VI Planning, Graphic Design
- Design Lead: 村中 伸滋 (Shinji Design)
見えない「信頼」を、見える「形」へ。 京都府京都市を中心に、身寄りのない高齢者のための成年後見事業や終活支援を行う「一般社団法人福祉後見センターMIRAI」様。その法人設立にあたり、ロゴマーク及びブランド・アイデンティティの構築を担当いたしました。
「成年後見」や「終活」。 それは人生の締めくくりに関わる、極めてデリケートで重要な手続きです。しかし、一般の方々にとって、これらの言葉は「難しそう」「法的で冷たい」といった印象を持たれがちです。 MIRAI様が目指すのは、単なる事務代行ではなく、身寄りのない方々の「家族代わり」となって、その方の尊厳ある未来を守ること。
私たち伸滋Designに求められたのは、法的な「堅実さ」と、人としての「温かみ」。この一見矛盾する二つの要素を統合し、利用者が一目見た瞬間に「ここなら安心だ」と感じられる、心の架け橋となるデザインでした。
Concept: The Light of Dignity (尊厳の光)
デザインの核心にあるのは、「孤独の解消」と「未来への肯定」です。 高齢者福祉の現場において、デザインは単なる装飾ではありません。それは、不安を抱える利用者の心を開くための「非言語コミュニケーション」のツールです。私たちは認知科学の知見を用い、以下のロジックでデザインを構築しました。
1. 形状の心理学:「支え合い」を象徴する有機的フォルム
シンボルマークのモチーフは、MIRAIの頭文字である「M」。 しかし、鋭角的な「M」は使いません。尖った形状は、本能的に「痛み」や「拒絶」を連想させるためです 。 今回採用したのは、徹底的に角を丸めた有機的な曲線。これは、二人の人間が寄り添い、支え合っている姿を抽象化したものです。柔らかなカーブは、利用者を優しく包み込む「受容」の姿勢を表しています。 また、右斜め上へと伸びるラインは、視線誘導の効果により「過去」から「未来」への上昇感を演出。終わりのための準備ではなく、これからの時間を豊かに生きるための「ポジティブな選択」であることを象徴しました。
2. 色彩の機能設計:「信頼」×「温度」
色は、脳に対して直接的な感情反応を引き起こします。MIRAI様のロゴには、明確な意図を持った2色を配しました。
- Guardian Teal (深緑青): ベースとなるのは、深く落ち着いたティール・ブルー。青の持つ「誠実・知性」と、緑の持つ「安らぎ・健康」を掛け合わせた色です。法的な手続きを任せられる「揺るぎないプロフェッショナル性」を表現しています 。
- Future Orange (未来のオレンジ): アクセントには、輝くようなオレンジを採用。暖色は副交感神経に作用し、心を解きほぐす効果があります。「温かいコミュニケーション」と「希望」の象徴として、利用者の孤独感を払拭する灯火(ともしび)となるよう設計しました 。
この「冷」と「暖」のコントラストは、MIRAI様が持つ「冷静な事務遂行能力」と「情熱的な人間愛」の両輪を表しています。
3. タイポグラフィ:高齢者に優しいユニバーサルデザイン
社名を表示するロゴタイプには、可読性を最優先したデザインを採用。視力が低下した状態でも文字の輪郭がぼやけにくいよう、線幅と空間のバランスを微調整しています。「一般社団法人」という硬い響きを、バランスの良い書体で表現することで、権威的になりすぎない、相談しやすい雰囲気を醸成しました。
Director’s Note 「ビジネスや福祉の現場において、想いがどれだけ素晴らしくても、それが相手の脳に『正しく』届かなければ意味がありません。 今回のプロジェクトでは、MIRAI様が持つ『利用者様の人生を最後まで守り抜く』という覚悟を、いかにして視覚情報としての『安心感』に変換するかに注力しました。 認知科学とデザインの力で、言葉では伝えきれない信頼の基盤を作る。このロゴマークが、地域の方々とMIRAI様をつなぐ、温かな握手のような存在になることを願っています。」
村中 伸滋 (Shinji Muranaka, Ph.D.)