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『落ち着いて』はもう古い:プレゼン前に神経系をハックする科学的テクニック


序論:なぜ「落ち着いて」は逆効果なのか?思考抑制のアイロニー

プレゼンテーションを数分後に控え、高鳴る鼓動を感じながらステージ袖で待機している。そのとき、同僚や友人から、あるいは自分自身の内なる声から、こう囁かれる。「落ち着いて」「緊張するな」。これは、励ましの言葉として最も一般的でありながら、科学的見地からは最も効果が薄く、時として有害でさえあるアドバイスだ。この直感に反する現象を理解する鍵は、社会心理学者ダニエル・ウェグナーが提唱した「皮肉なプロセス理論(Ironic Process Theory)」、通称「白熊問題」にある 1

この理論は、特定の思考を抑制しようとすると、かえってその思考が強く意識にのぼるという心の働きを説明する 3。ウェグナーによれば、思考の抑制を試みる際、私たちの心の中では二つの精神プロセスが同時に作動する 5

  1. 意図的な操作プロセス(Intentional Operating Process):これは意識的で、多くの認知資源を必要とするプロセスだ。「緊張」という思考を心から追い出すために、別の楽しいことや集中すべきこと(スピーチの内容など)を探し出そうと能動的に働く。
  2. 皮肉な監視プロセス(Ironic Monitoring Process):これは無意識的で、ごくわずかな認知資源で働くプロセスだ。思考抑制がうまく機能しているかを確認するため、抑制対象である「緊張」の兆候がないかを常に探し続けている。

平時であれば、この二つのプロセスは協調して機能する。しかし、プレゼンテーション前のような強いストレスやプレッシャーに晒されている状況では、「認知的負荷」が高まる 5。この負荷は、多くのエネルギーを要する「操作プロセス」の働きを著しく低下させる。一方で、省エネで動き続ける「監視プロセス」は活動を止めない。その結果、操作プロセスが機能不全に陥る中、監視プロセスだけが「緊張していないか?」と繰り返し問い続け、抑制しようとしていた「緊張」という思考そのものを次々と意識の最前線に送り込んでしまうのだ 8。つまり、「緊張するな」と自分に言い聞かせる行為自体が、脳に緊張を意識させ続けるための引き金となるフィードバックループを生み出してしまうのである 3

この心の仕組みは、個人の精神的な弱さの表れではない。むしろ、ストレス下で誰にでも起こりうる、人間の認知アーキテクチャに組み込まれた予測可能な機能不全である。プレゼン前の環境は、時間的プレッシャー、他者からの評価、そして成功への渇望といった要因が重なり、この皮肉なプロセスが発動するための完璧な状況を作り出す。したがって、効果的なパフォーマンス不安の管理とは、不安を力ずくで抑え込むことではない。それは、自らの神経系と「戦う」のではなく、「協調する」ための戦略的転換を意味する。本稿では、この考えに基づき、神経科学と心理学の知見を活用して、プレゼン前の内的な状態を能動的に管理するための科学的テクニックのツールキットを提供する。

第1部:内なる嵐を理解する — プレゼン恐怖の神経科学

プレゼンテーションに対する強い恐怖、すなわち「グロソフォビア(Glossophobia)」は、単なる気の持ちようの問題ではない。それは、人類の進化の過程で深く刻み込まれた、生存に関わる本能的な反応である 10。この恐怖の根源を理解することは、それを乗り越えるための第一歩となる。

グロソフォビア:原始的な恐怖の残響

私たちの祖先にとって、集団からの追放や社会的孤立は、文字通り死を意味した。食料の確保、捕食者からの防御など、生存のあらゆる側面が集団への帰属に依存していたからである。このため、他者からのネガティブな評価や拒絶に対する恐怖は、生存本能として私たちの遺伝子に深く刻み込まれている 10。プレゼンテーションという状況は、まさにこの原始的な恐怖を呼び覚ます。大勢の「部族」の視線が一斉に自分に注がれ、一挙手一投足が評価される。脳はこれを、自らの社会的地位、ひいては生存そのものが脅かされる危険なシグナルとして誤って解釈してしまうのだ。

闘争・逃走反応:身体に起きる化学反応

この「脅威」を感知すると、脳の警報システムが作動する。具体的には、自律神経系のうち、活動と興奮を司る「交感神経系」が優位な状態へと切り替わるのだ 13。このプロセスは、以下の神経生物学的な連鎖反応を引き起こす。

  1. 脳の活性化:脳の扁桃体、すなわち恐怖を処理する中枢が過剰に活性化する 10。この原始的な感情の爆発は、理性的思考や意思決定を司る前頭前野の機能を一時的に乗っ取ることがある。これが、頭が真っ白になる「ブレインフリーズ」と呼ばれる現象の神経科学的な正体である 10。脳の資源が「生存」という最優先課題に振り向けられるため、高度な認知タスク(スピーチ内容の想起など)を実行する能力が著しく低下するのだ 14
  2. ホルモンの放出:扁桃体からの指令を受け、副腎からアドレナリンとコルチゾールという二大ストレスホルモンが血中に大量に放出される 10
  3. 身体症状の発現:これらのホルモンは、身体を「闘うか、逃げるか(Fight-or-Flight)」の臨戦態勢に移行させる。その結果として現れるのが、プレゼンターを悩ませる数々の身体症状である。これらの症状は、それぞれ進化的な目的を持っている。
    • 心拍数と血圧の上昇:筋肉へより多くの血液と酸素を送り込み、身体的な戦闘や逃走に備えるため 10
    • 発汗:激しい運動に備えて、身体を冷却する準備 15
    • 震え:筋肉が緊張し、アドレナリンが過剰に分泌された結果生じる反応 10
    • 口の渇き:消化器系の活動を停止させ、エネルギーを生存活動に集中させるため 14

重要なのは、現代社会を生きる私たちの脳が、会議室で向けられる聴衆の視線と、サバンナで遭遇した捕食者の視線を、生理学的には区別できていないという点である 15。身体は実存的な脅威に備えて本格的なアラートを発しているが、その反応はプレゼンテーションという文脈においては不適切であり、パフォーマンスを著しく阻害する。したがって、パフォーマンス不安への対処は、この強力な身体的・神経生物学的な反応を直接的に管理するアプローチを必要とする。単なる認知的な努力だけでは、この内なる嵐を鎮めることは困難なのである。

第2部:感情の錬金術 — 不安を「興奮」に変換する認知リフレーミング

プレゼン前の不安という高ぶった状態から、「落ち着き」という静的な状態へ移行しようと試みるのは、なぜこれほどまでに難しいのか。その答えは、感情の持つ二つの次元、すなわち「覚醒度(arousal)」と「感情価(valence)」にある。不安は「高覚醒・ネガティブ価」の感情であり、一方の落ち着きは「低覚醒・ポジティブ価」の感情である。この二つの状態に移行するためには、覚醒レベルと感情の方向性という二つの変数を同時に、しかも正反対の方向へシフトさせるという、極めて困難な心理的・生理的作業が要求される 18

しかし、もし覚醒レベルを維持したまま、感情価だけをポジティブな方向へ転換できたらどうだろうか。この画期的なアプローチを提唱するのが、ハーバード大学の研究者アリソン・ウッド・ブルックスによる「認知リフレーミング(Cognitive Reappraisal)」の研究である 19

不安と興奮:同じコインの裏表

ブルックスの研究の核心は、不安と興奮が生理学的には驚くほど類似しているという発見にある。どちらも心拍数の増加やストレスホルモンの分泌を伴う「高覚醒」状態である 18。両者を分かつ決定的な違いは、その生理的覚醒に対して私たちが与える「認知的なラベル」なのだ。つまり、ドキドキする心臓の鼓動を「ああ、緊張している」と解釈すれば不安になり、「さあ、やるぞ!」と解釈すれば興奮になる。

この理論を検証するため、ブルックスは一連の実験を行った。参加者にカラオケでの歌唱やスピーチといった不安を誘発するタスクを課し、一方のグループには「落ち着こうとしてください」と指示し、もう一方のグループには「自分は興奮していると言い聞かせてください」と指示した。結果は明白だった。「私は興奮している」と声に出して自己暗示をかけた参加者は、落ち着こうとした参加者に比べて、客観的にも主観的にもはるかに高いパフォーマンスを示したのである 18。スピーチの実験では、「興奮している」と述べた参加者の方が、より説得力があり、有能で、自信に満ちていると評価された 18

「脅威」から「好機」へ:マインドセットの転換

このパフォーマンス向上の背後にあるメカニズムは、マインドセットの根本的な転換である。不安を感じているとき、私たちの心は「脅威マインドセット」に支配されている。失敗したらどうしよう、笑われたらどうしよう、といった潜在的なネガティブな結果に意識が集中してしまう 21。これに対し、その高揚感を「興奮」と再定義することで、心は「好機(オポチュニティ)マインドセット」へと切り替わる 19。自分の能力を発揮できるチャンスだ、聴衆に価値ある情報を提供できる機会だ、といったポジティブな結果に焦点が当たるようになるのだ。

この認知的なリフレーミングは、身体がパフォーマンスのために動員した生理的エネルギーを、自己破壊的な恐怖ではなく、建設的な活力として活用することを可能にする。これは、感情を生成するプロセスの最終段階、すなわち「解釈」の段階に意識的に介入する、一種の高度なバイオハッキングと言える。

実践テクニック:次にプレゼンを前にして、心臓の鼓動が速くなったり、手のひらに汗をかいたりといった不安の身体的兆候を感じたら、それを無理に抑え込もうとするのをやめてみよう。代わりに、自分自身に向かって、できれば声に出してこう宣言するのである。「私は興奮している。この身体の反応は、最高のパフォーマンスを発揮するために準備が整った証拠だ」と。この単純な一言が、あなたの内なる状態を根底から変える力を持っている。

第3部:身体から脳を操る — 自律神経系へのボトムアップ・アプローチ

認知的な戦略が「トップダウン(脳から身体へ)」のアプローチであるならば、身体の状態を直接的に変化させることで脳に影響を与える「ボトムアップ(身体から脳へ)」のアプローチも同様に強力である。ここでは、自律神経系に直接働きかける二つの呼吸法を紹介する。これらのテクニックは、交感神経系の「闘争・逃走」モードに対する強力な「ブレーキ」として機能する副交感神経系を意図的に活性化させることを目的とする 15

迷走神経:脳へと続く静寂のハイウェイ

このブレーキシステムの主役が「迷走神経(Vagus Nerve)」である。迷走神経は脳幹から始まり、心臓、肺、消化器官など、身体の主要な臓器を結ぶ、体内で最も長い神経だ 23。この神経を刺激すると、脳に対して「安全である」という信号が送られ、心拍数を下げ、血圧を安定させ、リラックス状態を促進する。これらの呼吸法の目標は、この迷走神経を意図的に活性化させ、心拍変動(HRV)—ストレス耐性の指標—を高めることにある 25

テクニック1:生理学的ため息(急性のストレスを瞬時に軽減)

スタンフォード大学の神経科学者アンドリュー・ヒューバーマンによって広められたこのテクニックは、意図的に神経系を鎮静化させるための、現在知られている中で最も速効性のある方法である 27

  • メカニズム:ストレスを感じると、肺の中にある肺胞と呼ばれる小さな空気の袋が虚脱し、体内の二酸化炭素(CO2)濃度が上昇して不安感が増大することがある。生理学的ため息の最大の特徴である「二重の吸気」は、この潰れた肺胞を強制的に再膨張させる 29。そして、それに続く長くゆっくりとした呼気が、迷走神経を強力に刺激し、副交感神経系を活性化させる。これにより、CO2が効率的に排出され、心拍数が急速に低下する 27
  • 実践方法
    1. 鼻から深く息を吸い込み、肺をいっぱいにしようとする。
    2. その吸気の頂点で、間髪入れずに、さらにもう一度、短く鋭く息を吸い込み、肺を最大限に膨らませる。
    3. 口から、できるだけ長く、ゆっくりと完全に息を吐き出す 27。これを1回から3回繰り返すだけで、急性のパニックや高まったストレスを劇的に軽減できる。スタンフォード大学の研究では、この周期的ため息を毎日5分間実践したグループは、マインドフルネス瞑想や他の呼吸法を実践したグループよりも、気分と生理的覚醒の改善において優れた効果を示した 31。

テクニック2:ボックス呼吸法(持続的な冷静さと集中力を確立)

アメリカ海軍特殊部隊(Navy SEALs)などが極度のプレッシャー下で冷静さと集中力を維持するために用いるテクニックが、このボックス呼吸法(スクエア呼吸法)である 31

  • メカニズム:この呼吸法の構造化されたリズムは、自律神経系を安定させる効果がある。特に、息を吐く過程と息を止める過程が副交感神経系を活性化させ、心拍数と血圧を低下させる 34。また、「4秒」というカウントに意識を集中させる行為自体が、不安な思考から注意をそらすための認知的なアンカーとして機能する 36
  • 実践方法
    1. 鼻からゆっくりと4秒かけて息を吸う。
    2. 息を4秒間止める。
    3. 口からゆっくりと4秒かけて息を吐く。
    4. 息を吐ききった状態で4秒間止める 34。このサイクルを数分間繰り返す。

これらの呼吸法は、単なる気休めではない。呼吸という、通常は無意識に行われているが、意識的にコントロールすることも可能な唯一の生理機能を利用して、自律神経系のバランスを直接的に調整する物理的な介入である。プレゼン直前の急なパニックには「生理学的ため息」を、数分前から落ち着いた集中状態を作り出すためには「ボックス呼吸法」を、というように状況に応じて使い分けることで、柔軟かつ効果的な自己調整が可能となる。

第4部:成功をリハーサルする — 本番力を最大化するトップダウン戦略

神経系をボトムアップで調整するテクニックに加え、脳に直接働きかけるトップダウン戦略を組み合わせることで、プレゼンテーションへの準備は万全となる。これらの戦略は、本番のストレスに直面した際に反応的に対処するのではなく、ストレスに対する心の耐性そのものを事前に高めることを目的とする。

4.1 メンタルリハーサルと視覚化(アスリートのアプローチ)

トップアスリートの世界では常識となっているが、脳は、鮮明に想像された経験と実際に起きた経験を完全には区別できない。効果的なメンタルリハーサル(視覚化)は、実際に体を動かすことなく、パフォーマンスに関連する神経回路を活性化させ、強化することができる 38

  • 効果的な視覚化の鍵
    1. 具体性と詳細:「良いスピーチをする自分」を漠然と想像するだけでは不十分だ。会場の様子、聴衆の顔、手に持ったクリッカーの感触、スピーチの冒頭の言葉などを具体的に思い描く 38
    2. 五感の活用:視覚だけでなく、聴覚(マイクを通した自分の声)、触覚(演台の木の質感)、嗅覚(会場の空気)など、五感を総動員してリハーサルを行うことで、脳はそれをより現実的な体験として処理する 38
    3. 成功と危機管理のリハーサル:完璧なパフォーマンスを想像するだけでなく、起こりうるアクシデント(難しい質問、機材トラブル、一瞬の度忘れなど)を想定し、それに対して冷静かつ自信を持って対処する自分を鮮明に視覚化することが極めて重要である。これにより、未知への恐怖が減少し、精神的な回復力(レジリエンス)が構築される 38

4.2 パワーポージングの科学的真実(身体化された認知)

社会心理学者エイミー・カディの研究で有名になった「パワーポージング」は、科学的な論争を経て、その効果の核心がより明確になった。当初主張されたテストステロンの増加やコルチゾールの減少といったホルモンレベルの変化については、後の研究で再現性が確認されず、現在では科学的コンセンサスとはなっていない 42

しかし、それでこのテクニックが無価値になったわけではない。数多くの研究を統合したメタ分析の結果、体を大きく広げる「力強い」ポーズをとることは、主観的な「力の感覚」や自信、ポジティブな気分を向上させるという点で、一貫して信頼できる効果があることが示されている 42。これは「姿勢フィードバック効果」と呼ばれ、身体の状態が心に影響を与える「身体化された認知」の一例である 45

  • 実践テクニック:プレゼンテーションの直前に、トイレの個室などプライベートな空間で2分間、「ワンダーウーマン」のように両手を腰に当てて胸を張るポーズや、両腕を上げてVサインを作るポーズをとる。これはホルモンを変化させるためではなく、本番に臨む上での主観的な自信を高めるための、信頼性の高い心理的ブースターとして活用すべきである 45

4.3 本番前ルーティンの構築(CEOのメソッド)

成功しているCEOやトップアスリートの多くは、重要な局面の前に一貫した「本番前ルーティン」を実践している。ルーティンは、準備作業を自動化することで認知的な負荷を軽減し、脳に「これから本番だ」という合図を送り、不確実な状況下でコントロール感覚を与えてくれる 47

  • 効果的なルーティンの構成要素
    • マインドフルネス/集中:数分間の瞑想や、伝えたいメッセージのトップ3を再確認する 48
    • 身体の活性化:軽いストレッチや短い散歩で血流を促進し、気分を高める 48
    • 精神的準備:前述のメンタルリハーサルや、ボックス呼吸法を取り入れる。
    • 最後の引き金:最後の一口の水を飲む、ジャケットを羽織る、「さあ、行こう」といった特定のフレーズを唱えるなど、パフォーマンスの開始を告げる最後の儀式的な行動 47

これらの要素を組み合わせ、自分だけの5分から10分のパーソナライズされたルーティンを構築し、練習しておくこと。例えば、「2分間のパワーポージング、2分間のボックス呼吸法、そしてスピーチ冒頭1分間の視覚化」といった具体的な流れを確立することで、本番前の心の状態を安定して最適なレベルに引き上げることが可能になる。

プレゼン前の神経系ハック・ツールキット

テクニック主なメカニズム最適な用途実行方法
認知リフレーミング感情のラベリング変更高揚した身体的感覚をエネルギーに変える「これは興奮だ」と声に出して言う
生理学的ため息迷走神経刺激、CO2排出急性のストレスやパニックを瞬時に軽減する鼻から深く吸い、更にもう一度吸ってから、口から長く吐き出す
ボックス呼吸法自律神経系の調整持続的な集中力と落ち着きを確立する4秒吸う→4秒止める→4秒吐く→4秒止める
メンタルリハーサル神経回路の強化自信の構築と不測の事態への備え五感を使い、成功と課題克服の両方を鮮明に想像する
パワーポージング姿勢フィードバック効果主観的な自信とパワー感を高める本番前に2分間、体を大きく広げるポーズをとる

結論:最高のパフォーマンスとは、技術の現れである

プレゼンテーションにおける最高のパフォーマンスは、恐怖や不安が「ない」状態を指すのではない。それは、自らの内なる認知と生理の状態を「能動的に管理する技術」の現れである。もはや、「落ち着こう」として不安と戦う時代は終わった。これからは、科学的知見に基づいたツールキットを駆使して、自らの神経系をハックし、マネジメントする時代である。

本稿で紹介した戦略—不安を興奮へと再定義する認知のリフレーミング、呼吸を通じて生理状態を直接コントロールするボトムアップアプローチ、そして成功体験を脳に刻み込むリハーサルとルーティン—は、それぞれが強力なだけでなく、相互に補完し合うことで、より強固なパフォーマンス基盤を築く。

自信とは、天賦の才や性格ではなく、練習によって習得可能なスキルセットである。次にあなたがプレゼンテーションの舞台に立つとき、それは単なる試練の場ではない。それは、自らの内なる科学を応用し、これらの新しい技術を実践するための絶好の機会となるだろう。

引用文献

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  2. Ironic Process Theory & The White Bear Experiment – Simply Psychology, https://www.simplypsychology.org/ironic-process-theory-white-bear-experiment.html
  3. The Ironic Failure of Control: Why Suppressing Thoughts Makes Them Stronger, https://psychotricks.com/ironic-failure-of-control/
  4. www.simplypsychology.org, https://www.simplypsychology.org/ironic-process-theory-white-bear-experiment.html#:~:text=The%20results%20of%20this%20%E2%80%9CWhite,and%20dominant%20in%20their%20mind.
  5. Ironic Processes of Mental Control – Daniel Gilbert, https://dtg.sites.fas.harvard.edu/DANWEGNER/pub/Wegner%20Ironic%20Processes%201994.pdf
  6. Ironic processes of mental control – PubMed – NIH, https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8121959/
  7. Ironic Processes in the Mental Control of Mood and Mood-Related Thought – Daniel M. Wegner, Ralph Erber, and Sophia Zanakos, https://dtg.sites.fas.harvard.edu/DANWEGNER/pub/Wegner,Erber,&Zanakos1993.pdf
  8. Ironic Processes of Mental Control – Daniel Wegner – Grantome, https://grantome.com/grant/NIH/R01-MH049127-02
  9. Brief Therapy Based on Interrupting Ironic Processes: The Palo Alto Model – PMC, https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2789564/
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  12. Glossophobia the ‘Fear of Public Speaking’ – MentalHealth.com, https://www.mentalhealth.com/library/what-we-fear-more-than-death
  13. Why Are We Scared of Public Speaking? | Psychology Today, https://www.psychologytoday.com/us/blog/smashing-the-brainblocks/201711/why-are-we-scared-of-public-speaking
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  15. The Science of Speaking: What Actually Happens When You’re Nervous, https://www.miranda-toastmasters.org.au/the-science-of-speaking-what-actually-happens-when-youre-nervous/
  16. Overcoming Glossophobia: Causes, Treatment, and More – Healthline, https://www.healthline.com/health/glossophobia
  17. Glossophobia – Wikipedia, https://en.wikipedia.org/wiki/Glossophobia
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