不可視な「紫外発光」を可視化する、科学とデザインの融合。
世界的化学ジャーナルにおける、研究成果の視覚的翻訳と表紙デザイン
1. プロジェクト概要
本プロジェクトの挑戦は、人間の肉眼では捉えることのできない「紫外発光(Ultraviolet Emission)」という物理現象と、それを可能にする「固体状態での分子制御」という高度な科学的ロジックを、一枚のアートワークとして翻訳することにありました。通常、有機分子は固体になると光を失う傾向にありますが、本研究の分子は集まることでより強く輝く性質を持ちます。
私たちは、研究者との綿密な対話を通じ、この「個と集合のドラマ」をデザインのコンセプトに据えました。分子が整然と並ぶミクロな秩序と、そこから放たれるエネルギーの躍動を、認知科学に基づく色彩設計(不可視光の可視化メタファー)とダイナミックな構図で表現。「見えない光」に輪郭を与え、研究の革新性を直感的に伝えるデザインを実現しました。
このデザインは、編集部による厳正な審査を経て採用され、日本の研究力を世界に発信する一翼を担いました。
2. プロジェクトデータ
- Client: 京都工芸繊維大学 分子化学系 有機分子材料化学研究室
- Publication: ChemPhotoChem (Volume 8, Issue 5, May 2024)
- Publisher: Wiley-VCH GmbH
- Role: Cover Art Direction, Graphic Design
- Paper Title: Efficient Solid-State Ultraviolet Emission of 2′,5′-Dioxy-p-terphenyls
- DOI: 10.1002/cptc.202400128