スタートアップの命運を分ける資金調達ピッチにおいて、「伝わる」の正体は最新の認知科学によって解き明かされつつあります。MITの研究が示す「13ミリ秒」という驚異的な視覚処理速度や 、1枚のスライドを10秒で理解させる「10秒のルール」をいかに突破するか 。本記事では、認知負荷理論やゲシュタルト心理学を基軸に、Airbnbやセコイア・キャピタルなどの成功事例が実践する「情報のアーキテクチャ」を科学的に分析します 。単なる審美的なデザインを超え、投資家の脳へ最短距離で「確信」をインストールするための戦略的指針を提示します 。
現代のスタートアップ・エコシステムにおいて、資金調達の成否はもはや純粋な事業の収益性や技術的優位性のみによって決定されるものではない。情報は過剰に供給され、投資家の注意持続時間は歴史的な低水準に達している。このような環境下で「伝わる」を科学することは、認知科学、神経心理学、および行動経済学の知見を統合し、投資家の脳内における意味形成プロセスを戦略的に制御することを意味する 。本報告書では、最新の投資家行動データと認知科学の理論的枠組みを交差させ、投資家の意思決定を規定する「視覚的・心理的アーキテクチャ」の設計指針を詳細に論じる。
視覚情報の超高速処理:13ミリ秒の認知閾値
人間が視覚情報を認識し、その概念を抽出する速度は、従来考えられていたよりもはるかに速いことが近年の神経科学の研究で明らかになっている。マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、脳が画像をわずか13ミリ秒(約75分の1秒)露出されるだけで、その内容を特定し、意味を理解できることを突き止めた 。
フィードフォワード処理による概念抽出
この驚異的な処理速度を支えているのは、網膜から脳の視覚処理センターへと情報が一方向に流れる「フィードフォワード処理」というメカニズムである 。このプロセスにおいては、高次な認知フィードバックを待つことなく、色、形状、方位といった低次の特徴から「概念」が瞬時に合成される 。例えば、ピッチデックの表紙を投資家が目にした瞬間、そのデザインが醸し出す「信頼性」「革新性」「プロフェッショナリズム」といった抽象的な概念は、脳が詳細を分析し始める前に、この13ミリ秒のウィンドウで既に決定されている 。
| 処理フェーズ | 所要時間 | 神経学的機能 | ピッチ設計への示唆 |
| 超高速識別 | 13 – 100 ms | フィードフォワード概念抽出 | 視覚的な第一印象(トーン、ブランド)が決定 |
| 意識的知覚 | 75 – 150 ms | 意識への入力と文脈適用 | スライドの「カテゴリ」が認識される |
| 反応時間(平均) | > 250 ms | 判断と意思決定への移行 | ページをめくるか読み続けるかの判断が開始 |
このデータが示唆するのは、ピッチデックにおける視覚的ノイズの排除が単なる審美的追求ではなく、脳の「概念抽出」を加速させるための認知的要請であるという点である 。画像の細部まで記憶に定着させるには、当然13ミリ秒以上の時間が必要であるが、投資家が「次を見るべきか」を判断するための一次評価は、瞬き(約300〜400ミリ秒)よりも30倍も速く行われているのである 。
投資家の注意力分析(2023-2025):変容する関心の力学
投資家がピッチデックに費やす時間は、市場の不確実性が高まるにつれて短縮される傾向にあり、2024年から2025年にかけての最新データは、その評価基準の劇的な変化を裏付けている。DocSendの調査によれば、投資家が1つのデッキを閲覧する平均時間は約2分30秒前後で推移しており、極めて限られた時間内で「投資価値の有無」が選別されている 。
「人」への回帰:チームスライドへの注力
2024年のベンチャーキャピタル(VC)投資家の行動における最も顕著な変化は、チーム(Team)スライドに費やされる時間の急増である。シード期のスタートアップにおいて、投資家がチームスライドを閲覧する時間は前年比で40%増加し、プレシード期でも30%の増加が見られた 。AIブームが加速し、技術のコモディティ化が懸念される中で、投資家は「何を創るか」以上に「誰が創るか」という人的要素をリスクヘッジの主要な指標として捉えている 。
対照的に、市場規模(Market Size)や競合比較(Competition)のスライドに対する注目度は著しく低下している。プレシード期の市場規模スライドへの注目度は19%減、シード期の競合スライドに至っては48%もの減少が見られた 。これは、投資家が「机上の空論」である市場予測よりも、具体的な「トラクション(実績)」と「実行力」に焦点を移していることを示唆している 。
資金調達の格差と閲覧行動
一方で、依然として深刻な課題として残っているのが、創業者属性による投資家の評価バイアスである。2024年の報告書によれば、女性のみのチームやマイノリティのチームに対する資金調達額は依然として低い水準に留まっている。興味深いことに、VCは女性チームのチームスライドに対して、男性チームのスライドよりも66%長い時間をかけて精査しているものの、それが実際の出資額には結びついていないという「注意と意思決定の乖離」が観測されている 。投資家は「過小評価されている属性」のチームに対して、より高い確信度を得るために詳細な検討を行うが、最終的な投資判断においては依然としてリスク回避的な姿勢を強める傾向がある 。
| スライド項目 | 2024年注目度の変化 (YoY) | 投資家の心理的背景 |
| チーム (Team) | +30% 〜 +40% 増加 | 不確実な時代における実行者の資質重視 |
| 市場規模 (Market Size) | -19% 減少 | ボトムアップのトラクションへの関心シフト |
| 競合比較 (Competition) | -48% 減少 | 差別化要因の抽象的説明に対する懐疑心 |
| トラクション (Traction) | 増加傾向 | 達成されたマイルストーンへの信頼 |
認知負荷理論(CLT)に基づくプレゼンテーション設計
「伝わらない」という現象の多くは、聞き手のワーキングメモリ(作業記憶)が処理能力の限界を超えてパンクする「認知過負荷」によって引き起こされる 。オーストラリアの心理学者ジョン・スウェラーが提唱した認知負荷理論(Cognitive Load Theory: CLT)は、この限界をいかに管理し、効率的に長期記憶へと情報を転送するかを説く学問領域である 。
認知負荷の3要素とその制御
ピッチデッキの設計において、われわれは以下の3種類の負荷を管理しなければならない。
- 課題内在的負荷 (Intrinsic Cognitive Load): 対象とするビジネスモデルそのものの難易度に関連する。量子コンピューティングやバイオテックなどの複雑な領域では、この負荷が必然的に高くなる 。対策としては、情報を意味のある「チャンク(塊)」に分解し、単純な概念から複雑な概念へと段階的に提示することが求められる 。
- 課題外在的負荷 (Extraneous Cognitive Load): 情報の提示方法やスライドのデザインが不適切であるために発生する「無駄なエネルギー」である。過剰な装飾、不必要なテキスト、論理の飛躍などがこれに該当する 。ピッチにおいては、この外在的負荷を徹底的にゼロに近づけることが至上命令となる 。
- 学習関連負荷 (Germane Cognitive Load): 情報を理解し、既存の知識体系(スキーマ)に統合するために使われる「建設的な思考プロセス」である 。外在的負荷を削減することで余ったメモリの容量を、この学習関連負荷に振り向けることが、投資家の深い理解と納得を引き出す鍵となる 。
スライド上の注意分割効果の回避
CLTが警告する重要な現象の1つに「注意分割効果 (Split-Attention Effect)」がある。これは、図解とその説明テキストが離れた場所に配置されている場合、読者はそれらを頭の中で統合するために余計なリソースを消費してしまう現象である 。スライド設計においては、ラベルを図解のすぐ隣に配置し、視線の移動距離を最小化することが、処理速度の向上に直結する 。また、スライド上の文章をそのまま読み上げる行為は、視覚と聴覚の両方から同一言語情報を入力させることでワーキングメモリを飽和させるため、極めて非効率的な手法とされる 。
ゲシュタルト心理学:視覚的秩序の構築
投資家の脳は、スライド上の個別の要素を認識する前に、それらが構成する「パターン」や「構成体」を認識する。ゲシュタルト心理学の諸法則は、脳がどのように視覚情報をグループ化し、秩序を見出すかを説明するフレームワークである 。
秩序を生む4つの主要法則
- 近接の法則 (Proximity): 近くにある要素同士は、同じグループとして認識される 。チーム紹介スライドで、写真と名前、経歴の距離が適切に保たれていれば、投資家は混乱することなく「一人の人間」のデータセットとして処理できる 。
- 類同の法則 (Similarity): 色や形、サイズが似ている要素は、同じ機能を持つと見なされる 。スライド全体を通じて、強調色やボタンのデザインを一貫させることで、投資家は説明を読まなくても「これが重要なポイントだ」と瞬時に理解できる 。
- 連続の法則 (Continuity): 目線は滑らかな線や流れを追う傾向がある 。ロードマップや成長予測グラフにおいて、断続的な点ではなく滑らかな曲線を用いることで、事業の持続的成長というメッセージを脳にダイレクトに伝えることができる 。
- 図と地の法則 (Figure-Ground): 脳は無意識に、注目すべき「主役(図)」と背景の「脇役(地)」を分離する 。高コントラストの配色や適切な余白(ホワイトスペース)の使用は、投資家が「どこを見るべきか」という視覚的ヒエラルキーを瞬時に確立するのを助ける 。
これらの法則を戦略的に適用することで、投資家はスライドを「解読」する必要がなくなり、内容を「直感的に把握」することが可能となる。これは、注意力の低下が著しい現代のピッチにおいて、極めて強力な武器となる 。
記憶の科学:初頭効果と親近効果の戦略的運用
ピッチの構造は、人間が情報を想起する際の心理学的傾向である「系列位置効果」に最適化されなければならない。これは、情報の順序がその記憶への残りやすさを左右するという現象である 。
初頭効果 (Primacy Effect)
プレゼンテーションの初期段階で提示された情報は、長期記憶に転送されやすく、その後の評価の「基準(アンカー)」となる 。そのため、最も強力な事実、例えば「圧倒的な解決策」や「既に達成したトラクション」は、必ず最初の3分以内に提示されなければならない 。投資家は最初の3枚のスライドで全体の印象の75%を決定するため、導入部での「認知的フック」が、その後の全ての議論の運命を左右する 。
親近効果 (Recency Effect)
最後に提示された情報は、依然としてワーキングメモリに保持されているため、直後の評価に強い影響を及ぼす 。ピッチの最後で、改めてミッションと将来のビジョンを鮮明に描き、具体的な「次のアクション(資金使途とマイルストーン)」を提示することは、投資家の行動を促すための最終的なトリガーとなる 。
「中だるみ」の克服とメディア転換
一方で、中間に配置された情報は最も忘れられやすい 。この「忘却の曲線」を打ち破るための有効な手段が、Q&Aやデモンストレーションといった「メディア転換」である。プレゼンテーションの媒体や形式を切り替えることで、形式上の「始まり」と「終わり」が新たに生成され、複数の初頭・親近効果を生み出すことが可能となる 。
| 系列位置 | 心理現象 | 推奨コンテンツ |
| 導入 (最初) | 初頭効果 | 解決すべき問題の深刻さ、創業者の強い意志 |
| 中間 (中盤) | 忘却の谷 | 具体的なユニットエコノミクス、競合分析(データ中心) |
| 結び (最後) | 親近効果 | 未来のビジョン、具体的な資金調達の条件 |
主要VCのフレームワーク:Sequoia, YC, a16zの認知戦略比較
世界を代表する投資機関が推奨するピッチデッキのテンプレートは、それぞれの投資哲学に基づいた認知の「型」を提示している。これらの型を理解することは、投資家の期待値を管理する上で不可欠である。
Sequoia Capital:論理的透明性の極致
セコイア・キャピタルのテンプレートは、わずか10枚から12枚のスライドで構成される極めて簡潔なものである 。その最大の特徴は、最初のスライドで「一文で会社を定義する(Company Purpose)」ことを求めている点である 。これは、投資家の脳に一瞬で「概念のフォルダ」を作成させるための高度な認知戦略である。また、「Why Now?(なぜ今なのか)」というスライドを重要視しており、これは市場のパラダイムシフトという巨大な物語にスタートアップを位置づける役割を果たす 。
Y Combinator:トラクションと明確さの重視
Yコンビネータ(YC)のスタイルは、一切の虚飾を廃した「明確な価値提案」と「証明された成長」を重視する。YCは、問題(Problem)と解決策(Solution)の直接的な一致を求め、12歳の子どもでも理解できる平易な言葉での説明を推奨している 。彼らの「Demo Day」スタイルは、数分間で投資家の脳に「この会社は伸びる」という確信を植え付けるために最適化されており、ボトムアップの市場計算(SOM)を重視する 。
a16z (Andreessen Horowitz):専門性と権威の構築
a16zは、特に「START」プログラムなどを通じて、創業者の専門性と市場に対する深い洞察(Authority)を強調する傾向がある 。彼らのアプローチは、単なるアイデアの売り込みではなく、その領域における「圧倒的な第一人者」であることを投資家に認めさせるプロセスに近い。そのため、チームスライドや、市場の力学を解析した独自のフレームワークの提示が、説得の核心となる 。
| 比較項目 | Sequoia Capital | Y Combinator | a16z |
| 核心となる問い | 解決策の永続性と市場の転換点 | 誰の何の苦痛をどう解決したか | このチームは実行し切れるか |
| 重視するスライド | Why Now?(タイミング) | Traction(実績) | Team/Insights(知見) |
| スタイル | ナラティブ(物語性) | ミニマリズム(簡潔さ) | エキスパート(権威性) |
行動経済学と説得の心理:損失回避と社会的証明
ピッチは純粋に論理的なプロセスではなく、心理的な「影響力の行使」である。ロバート・チャルディーニが提唱した影響力の武器や、行動経済学のバイアスを理解することで、投資家の意思決定に深く介入できる 。
損失回避 (Loss Aversion)
人間は、利益を得ることよりも、損失を避けることに対して、約2倍のエネルギーを割く傾向がある 。成功するピッチが「解決策」からではなく「問題」から始まるのは、この損失回避の心理を利用しているためである 。現在の非効率なプロセスがいかにリソースを浪費しているか、あるいは競合他社に市場を奪われるリスクがいかに高いかを鮮明に描くことで、投資家の「何とかしなければならない」という生物学的な反応を引き出す 。
社会的証明 (Social Proof)
「他人が認めているものは正しい」という社会的証明は、不確実性の高い投資判断において強力なエビデンスとなる。Airbnbのデッキが初期にCraigslistへの二重投稿を強調したのは、既存のプラットフォームを利用している「何百万人ものユーザー」という社会的証明を借りるためであった 。また、既に著名なエンジェル投資家や顧問が関わっていること、あるいは「メディア掲載」や「著名企業とのパイロットプロジェクト」を提示することは、投資家が一人で抱える「決断のリスク」を分散させる効果がある 。
権威 (Authority)
投資家は、特定の領域において圧倒的な専門知識を持つ「権威者」に従う傾向がある。専門用語を並べるのではなく、市場の構造的変化を独自の視点で(例えばマトリクス図などを用いて)鮮やかに解説することで、投資家の脳内で「この人物は私よりもこの市場を深く理解している」という認識が形成され、信頼の土台が築かれる 。
ナラティブの構造:Airbnbの事例に学ぶ「3分間の勝利」
Airbnbのピッチデッキは、今日、資金調達の歴史において最も成功した「教科書」として語り継がれている。その成功の要因は、情報を羅列するのではなく、感情と論理を統合した「物語(ナラティブ)」を構築したことにある 。
3幕構成の適用
Airbnbのデッキは、ハリウッド映画の脚本術でも用いられる「3幕構成」を応用している 。
- 第1幕:設定(問題) 「高価なホテル」と「孤独な旅行者」という具体的なペインポイントを提示し、投資家をストーリーの中に引き込む。わずか数枚のスライドで、既存の市場がいかに不完全であるかを納得させる 。
- 第2幕:対立(解決策とトラクション) 「AirBed & Breakfast」という解決策が、どのようにその問題を解消し、初期の熱狂的なユーザーを生み出したかをデモとデータで示す。ここでは、市場の需要が単なる予測ではなく「既に起きている事実」であることを証明する 。
- 第3幕:解決(ビジョンと未来) 2億ドルの収益目標という野心的な数字を掲げつつ、それが実現可能なステップであることをロードマップで示す。最後には、投資家が「この物語の成功に関わらなければ損をする」という感情に達するように設計されている 。
「引き算」によるデザインの洗練
Airbnbのデッキにおけるテキスト量は、14枚のスライド全体でわずか約300語である 。これは、投資家が「読む」ことにリソースを割かず、創業者の「語り」と「視覚的な直感」に集中できるように計算し尽くされた結果である 。シンプルさは、単なるデザインの好みではなく、メッセージの「貫通力」を高めるための戦略的な選択なのである 。
| 成功の要因 | 具体的な手法 | 期待される効果 |
| 明快な一言 | 「ホテルに代わるオンライン市場」 | 認知フォルダの即時作成 |
| 比較による優位性 | 競合との2×2マトリクス | 差別化の直感的な理解 |
| リアルな声 | 実際のユーザーの推薦文 | 社会的証明による信頼構築 |
| 精密な資金調達 | 具体的な金額と達成すべき目標の明示 | 実行計画の信憑性向上 |
結論:次世代のピッチ設計に向けた提言
「伝わる」を科学することは、究極的には、相手の脳内における「エネルギー効率を最大化」することと同義である。投資家は、複雑な情報を解読するためにエネルギーを使いたいのではなく、あなたの事業がもたらす「未来の可能性」を想像するためにそのリソースを使いたいのである。
本報告における分析から導き出される、科学的根拠に基づいたピッチ設計の要諦は以下の通りである。
まず、視覚情報の初動を制御せよ。13ミリ秒という極短時間で、脳はブランドの信頼性を測っている。ピッチデックのトーン、レイアウト、配色は、一貫して「プロフェッショナリズム」と「明晰さ」を放射しなければならない。ゲシュタルトの法則を無視した不規則な配置は、それだけで認知リソースを浪費させ、提案そのものへの不信感を生む。
次に、情報の優先順位を「人」と「実証」へ移行せよ。2024年以降、投資家はマクロな市場予測(TAM)を文字通り「読み飛ばし」、創業チームのバックグラウンドと、既に達成されたマイルストーンを執拗に精査している。チームスライドは単なる写真の羅列ではなく、課題を解決するために「なぜこのチームでなければならないのか」を、認知負荷の低い「実績のチャンク」として提示すべきである。
さらに、認知負荷理論をスライドの隅々にまで浸透させよ。テキストは「引き算」が基本である。1枚のスライドで伝えるメッセージは1つに絞り、図解と説明を近接させ、注意の分割を徹底的に回避すること。話者が話している間に投資家がスライドを「読まなければならない」状況を作ってはならない。スライドは話者の言葉を「補完」する視覚的なアンカーであるべきだ。
最後に、ナラティブと行動心理を融合させよ。損失回避の心理を利用して問題を定義し、社会的証明を用いて確信を高め、初頭・親近効果を利用して記憶の最前線に残り続けること。ピッチの目的は「情報提供」ではなく、投資家の脳内に「この事業の成功は必然である」という新しいスキーマを構築することにある。
「伝わらない」という壁を、根性や熱意だけで突破しようとする時代は終わった。認知の法則という「計算機モデル」に基づき、戦略的に情報を配置・提示すること。それこそが、スタートアップが厳しい資金調達環境を勝ち抜き、そのビジョンを世界へ届けるための唯一無二の「科学的な武器」となる。
引用文献
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- DocSend Startup Index – 2021 Pitch Deck Metrics | DocSend, https://www.docsend.com/pitch-deck-metrics/
- VCs prioritize people in an AI-heavy landscape, according to new …, https://www.prnewswire.com/news-releases/vcs-prioritize-people-in-an-ai-heavy-landscape-according-to-new-dropbox-docsend-report-302334444.html
- DocSend’s 2024 Funding Divide Report: The gap for underrepresented founders widens, https://www.docsend.com/blog/docsends-2024-funding-divide-report-the-gap-for-underrepresented-founders-widens/
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- Decoding the Slidebean Airbnb Pitch Deck: A Blueprint for Success – Oreate AI Blog, http://oreateai.com/blog/decoding-the-slidebean-airbnb-pitch-deck-a-blueprint-for-success/6d27f16e816562bddfd3cc4ad2d8840e